高校受験の成功は中2までが9割!
塾長のいしがきです。
ただいま冬期講習会真っ最中!みんな頑張っているけれど、やはり中3生は気合い入っている子が多いですね。
先週で学校も終わり、通知表が出てきました。
定期テストで高得点を狙って塾で頑張って勉強するのも、全て内申点のためですよね。
以前も書きましたが私は高校入試に内申を合否判定の一部に使うことには反対の立場ですが、
それでも今、内申が高校入試に関係がある以上、内申点を上げる努力はしないといけないわけです。
多くの保護者の方がわかっているように高校入試にとって内申点はとても重要です。
でも多くの方が1〜5段階でつけられている評価を見て、お子さんが頑張った、頑張らなかったの指標として捉えているだけのような気がします。通知表の結果こそ、お子さんの将来に直結する大事な指標です。極論から言えば、定期テストの点数の20点や30点の差なんてどうでもいい。定期テストで50点を取った子も70点を取った子も通知表が「3」なら高校入試への影響は全く同じ。通知表の「1」の差こそ大騒ぎすべきなのです。
中学1年生も、中学2年生も、
「現状のまま受験を迎えたら、あなたの行ける高校はココです。」
とはっきりわかるガチなデータなのです。
今日はその辺をご紹介していきます。
受験の成功は中2までが9割
千葉県の高校入試において「3年生で挽回!」は、内申は良いけれど学力が伴わない子はアリですが、学力はあるけど、内申の低い子にとっては0%です。
高校入試は中1、中2が大事なんです。中学2年までで9割が決まると言っても過言ではありません。
ではどのくらい中1・中2での過ごし方が大事なのか考えてみましょう。
お子さんがどの高校を受けるのか、つまり志望校はお子さんのその時の実力で決めていく方が大半です。最初から決め打ちで○○高校と決めている方はほとんどいません。
例えば、お子さんが中学1〜2年までの間、学校の「実力テスト」や塾の「学力テスト」で偏差値50の実力を持っていたとします。
その後中学3年生になって、頑張りが功を奏し、偏差値が55まで上がったとします。すると、「いけるのでは?」と偏差値55あたりの高校を志望校として考え始めます。
まあ、当たり前の流れですよね。
しかしこれは、かなり危険なのです!
例えば、偏差値50の高校と言いますと、松戸界隈では県立松戸高校、市立松戸高校があります。
これらの高校の内申の基準値は
県立松戸 96
市立松戸 99 です。
これを3年で割ると
県立松戸 96÷3年=32
市立松戸 99÷3年=33 です。
つまり、1年生の頃から9教科のうち、5教科は「4」4教科が「3」で32です。
一方、偏差値55近辺の高校はというと、近隣では柏の葉高校が挙げられます。
この高校の内申基準は
柏の葉 107
これを3年で割ると
柏の葉 107÷3=およそ36
つまり1年生からオール「4」が必要ということになります。
中学3年生で頑張って偏差値が55まで上がっても、中学1,2年の成績が、偏差値通りの33程度しか取れていないと、偏差値55の高校の内申基準値には6〜7程足りていないということになります。
もちろん中学3年生の内申で挽回できなくはありません。
柏の葉高校の基準値を満たすには3年生で
107-(33×2年)=41
つまり6教科が「5」3教科が「4」ぐらいの成績をとらないといけません。
今まで5教科は「4」4教科が「3」の子が急にこの成績を取るのは現実的にかなり無理があります。
すると本番に賭けるしかないわけです。
仮に中学3年の評定が柏の葉に必要な1年分(36程度)を取れたとしても、内申点で6ほどのビハインドがあるので、それを本番で取り戻さないといけないことになります。
6点のビハインドを、当日受験するほぼ同学力の子たちの中で挽回するのは難しいのです。
模試で言えば、およそ4点で偏差値が「1」変わりますので、上記のような状況であれば、模試などで平均して57以上の偏差値を取っていれば、
合格の可能性があるといった感じだと考えられます。
決して無理な話ではないかもしれません。しかしこの状況で受験校の倍率が高い場合、おそらく残念な結果に終わるでしょう。さらに内申点の重要性に気づいていない方は、お子さんが平均して偏差値57以上を取ってきていると、さらに上のランクの高校を志望校にしてしまいます。
つまり学力=偏差値を高校受験の基準におくと、結局、危険な橋を渡り続けることになるわけです。しかも当日のテスト結果は未確定な要素が満載です。それに賭けるのはまさに「一か八か」になります。
中1〜2年生の間、うまく勉強の成果が出ないでいると、どうしても中学3年生の1年間に挽回のチャンスを求めたくなります。しかし現実問題として、中学3年になった段階でもう高校受験の9割は決まってしまっているのです。
中学3年生の1年間は、当日のテストにおいての不確定要素をなるべく消していくためだけの期間であって、志望する高校のランクを上げるための1年ではないと言っても過言ではありません。
しかし内申は3分の2が中2までで決まってしまいます。大切なのは、お子さんも保護者の方も、受験が1年程度の短期決戦だと考えず、地道に中学3年間を通して努力をしていくことです。
しかし努力=勉強と考えてはいけません。内申はお子さんの勉強の評価ではありません。お子さんの総合評価です。「通知表の結果がよくないから、さらに勉強する(させる)」は間違いです。
その辺を次にご紹介します。
お子さんの総合力を高める
学力を基準に志望校を決めることでさらに問題なのは、偏差値50のお子さんが、5教科は「4」4教科が「3」のような通知表の結果を取れているのかということです。学校の先生はテストの点数だけで内申の評価をしていないわけで、そもそもそこにギャップがあって偏差値50の子でも、平気でオール3の通知表だったりするわけです。オール3と言うと1年で27、3年で81です。
内申点が81と言うと、近隣では沼南高柳高校が挙げられます。同校の偏差値は39です。
つまりいくらテストで偏差値50を取れていても、お子さんの総合評価の偏差値は40にも満たないと言われているのです。
これをはっきり認識すべきです。
こんな事例からも、高校入試は入試時の学力だけではないことがわかります。
内申を上げる努力を積み重ね、それを志望校選びの基準におく。
そして若干満たない部分を学力で補う。これが基本だと思います。
通知表(内申)は総合評価です。定期テストの点数は一番大切なところであることは間違いありませんが、実際にテストで70点を取った子が通知表で4をもらい、80点を取った子が3がついているのも事実です。ではなぜその違いが出るのか?それは日頃の学校生活が「自分本位」になっているかどうかです。
通知表の結果を上げる一番の方法は、早く「自分本位」の考え方から抜け出すことだと言えます。
勉強は自分がするもの。自分がわかればそれで良いと考えやすいです。
でもその考え方は間違っています。
定期テストは正解があるので、誰が採点しても変わらないものですが、内申は先生という評価者がいるわけです。
評価者にちゃんと適切な評価をしてもらえる行動をしなければならないということです。
ひとつひとつの行動が評価者の立場になっているかを考えるのです。
ずっと下を向きながら授業を受けている生徒と、先生の目をじっとみて授業を聞いている生徒、どちらが積極的に授業に参加していると考えるか。
「下を向いていても真剣に聞いていた」と言っても、それは評価者にはわからないことです。
ノートや提出物も同様。先生に見てもらうものという考えが必要です。
「汚い字で書いていても自分はわかっている。」ではダメなのです。
観点別評価で「知識・技能」や「思考・判断・表現」の欄は主に定期テストの結果で評価されるので、勉強すれば良いわけですが、「主体的に学習に取り組む態度」がB、Cの方は学校のテスト結果ではない、何か成績を下げているお子さんの行動があるはずです。
また5教科の成績よりも、実技4科の成績が良くない。こういう子は要注意です。こういうタイプの子は、学校での勉強をナメている子です。保護者の方の前では言わないと思いますが、塾ではよく「明日の体育のテスト、ノー勉。」なんてことを言っている子がよくいます(もちろん私が耳にした途端、怒られるハメになるのですが)。その学校の勉強をナメている態度は、絶対授業中に出ています。特に実技4科を担当している先生は、その辺りに敏感です。本当にできる子は、「勉強の虫」であるはずですが、なぜか実技4科の結果もオール「5」です。
このようなことに早く気づき、中学1・2年生の時に対策を取った子は順風満帆な高校入試を迎えることができます。
お子さんの通知表の結果が悪いと感じたら、学校の各教科担任の先生に
「何をしたら、通知表の成績が上がりますか」
と聞いてくるようにお子さんに伝えることをおすすめします。実は成績を下げている原因はちょっとしたことかもしれません。
ではまた。