高校入試の仕組みを知ろう❗️
高校の種類
高校には大きく分けて2つの高校があります。
公立高校 (国立・県立・市立など)
私立高校
です。
またこんな分け方もあります。
普通高校
基本的には中学校で学習した科目と同じのものを勉強する
専門高校
工業・商業・農業など職業に特化した専門的な知識を勉強する
総合高校
たくさんの科目があり、その中から選択して勉強する
公立高校・私立高校でそれぞれ入試の仕組みが異なります。しっかり覚えましょう。
公立高校の入試制度
県立高等学校の通学区域
県立高等学校の全日制普通科には、志願に関して次のような学区制限があり(専門高校・総合高校にはありません)、その学区内の高等学校を志願しなければなりません。まずは自分の学区を知りましょう。
各市区町村の学区
第1学区 | 千葉市 |
第2学区 | 市川市 船橋市 松戸市 習志野市 八千代市 浦安市 |
第3学区 | 野田市 柏市 流山市 我孫子市 鎌ヶ谷市 |
第4学区 | 成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 印旛郡内全町 |
第5学区 | 銚子市 香取市 匝瑳市 旭市 香取郡内全町 |
第6学区 | 東金市 山武市 大網白里市 山武郡内全町 |
第7学区 | 茂原市 勝浦市 いすみ市 長生郡内全町村 夷隅郡内全町 |
第8学区 | 館山市 鴨川市 南房総市 鋸南町 |
第9学区 | 木更津市 市原市 君津市 富津市 袖ヶ浦市 |
第1学区 | 千葉市 |
第2学区 | 市川市 船橋市 松戸市 習志野市 八千代市 浦安市 |
第3学区 | 野田市 柏市 流山市 我孫子市 鎌ヶ谷市 |
第4学区 | 成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 印旛郡内全町 |
高校生活は中学校より忙しいです。授業も多いですし、部活も本格的です。第1学区から第4学区まで選択可能ですが、通学にかかる時間を考慮に入れるとほとんどのお子さんは第2学区・第3学区を選択しています。
市立高校の通学区域
市立高校の受験可能区域です。
船橋市立船橋 | 普通 | 第1・第2・第3・第4学区の市町(県立高校と同じ) |
商業 | 県内全域 | |
体育 | 県内全域 | |
松戸市立松戸 | 普通 | 第1・第2・第3・第4学区の市町(県立高校と同じ) |
国際人文 | 県内全域 | |
柏市立柏 | 普通 | 第2・第3・第4学区の市町(県立高校と同じ) |
スポーツ科学 | 県内全域 | |
習志野市立習志野 | 普通 | 第1・第2・第3・第4学区の市町(県立高校と同じ) |
商業 | 県内全域 |
上記以外の市立高校は受験ができません。
公立高校の選抜方法
さて、自分が受験できるエリアがわかったところで、次は公立高校の選抜方法について覚えましょう。ここがわかっていないと合格のために何をすれば良いのか、具体的な動きができないことになってしまいます。しっかり覚えましょう。選抜の方法は以下の通りです。
名称 |
一般入学者選抜(本検査) |
検査内容 |
第1日 3教科(国語・数学・英語)の学力検査(国語・数学は50分、英語は60分) 第2日 2教科(理科・社会)の学力検査(1教科50分)、各高等学校において、面接、自己表現、作文、適性検査等から、一つ以上の検査を実施 |
選抜方法 |
●調査書の評定の全学年の合計値 |
となります。
私立高校の入試制度
私立立高等学校の通学区域
私立高校はどこでも受験が可能です。新松戸ですと常磐線・武蔵野線が通ってますので、東京方面や茨城方面の私立高校を希望する方もいます。しかし公立高校と同様に高校生活のことを考えると必然と近隣の私立高校の方が良いということになると思います。
私立高校の選抜方法
私立高校の入試は、1月中旬(前期)、2月初旬(後期)に行われます。私立高校はいくつかの入試方法があります。
単願推薦
当該私立高校を第一志望で受験し、合格した場合には必ず入学することが条件です。推薦をもらえる基準は各校が定めた内申点(3科〜9科・3年時の学年評定)があるか否かです。それぞれの学校で内申点以外に細かな基準が定められています。
併願優遇
当該私立高校を第二志望以下で受験する場合で、他の公立・私立高校も受験が可能です。ただし他の志望校が不合格だった場合は必ず入学することが条件です。推薦をもらえる基準は単願推薦同様に各校が定めた内申点(3科〜9科・3年時の学年評定)があるか否かです。ただし単願推薦よりもその基準となる数値は高くなっています。またそれぞれの学校で内申点以外に細かな基準が定められています。
一般入試
学力検査(3科〜5科)で行われます。私立高校の場合、前述2つの推薦制度で募集定員のほとんどを決めてしまいますので、一般入試の合格はとても厳しいものになります。また公立高校と違い、各学校で入試問題を作成していますので、相応の対策が必要となってきます。
私立高校の場合、推薦条件を満たし、かつ事前相談がなされた場合は、おおむね合格となります。ただし、学力上位の私立高校の場合には、上記のような推薦制度は設定されていません。この場合、入試の合否は入学試験の得点が重要視されます。
高校入試の傾向
公立第一志望&私立併願が一般的
現在70%ぐらいの中学生が公立高校を第一志望とし、私立高校を併願優遇制度で受験するパターンを選択しています。当塾では今まで高校受験をした生徒のほぼ全員がこのパターンを選択しています。しかしながら昨今は私立高校を第一志望とする方が増加傾向にあります。
安全志向の高まり
昨年度から公立高校の受験機会が年1回となったことから、受験生の安全志向が高まっています。チャレンジ受験が大幅に減少していること、私立高校を第一志望として選択する方が増加しているのもそのためだと思われます。
さあこれで、公立・私立ともに入試制度がお分かりいただけたと思います。ここからはそれぞれの入試制度を踏まえた上で、入試に向けて具体的にどうしていったら良いのかを説明します。
高校入試合格のキモ
合格をつかむには偏差値だけではダメ
前述でもわかるように高校受験は公立・私立ともに内申点が重要な役割を担ってきます。
公立高校 1学年〜3学年の学年評定
私立高校 3年次の学年評定
受験というと偏差値ばかりを気にする方も多いですが、内申点が重要な要素なのです。安全志向の高まりは受験生とその保護者ばかりでなく、中学校の先生にも広がっています。公立高校の受験が年1回になった現在、チャレンジはできません。内申点が最重要点であることを認識するべきです。
内申点が届いていないと合格できない
昨年度の公立高校受験は上位校と下位校で大きく二極化の現象が現れました。上位校は相変わらず倍率が高く、厳しい受験だったと言えます。安全志向の高まりから高倍率を避ける行動が受験生に生まれ、ランクを落としてくる受験者が多く、内申点の不足分を学力でカバーしようとしても、自分より学力の高い受験生がいるため補うことができないということになります。実は同学力の生徒たちが受験する中で内申点の不足分をカバーできるだけ他者よりも高い点数を取るというのは至難の業なのです。
一方、下位校は軒並み定員割れの状態でした。しかし下位を受験する生徒さんにも厳しい状況があります。千葉県の場合、定員割れ(倍率1倍以下)でも基準を満たせないと不合格になってしまいます。また下位校は内申点重視(K値が2倍)の高校が多いので内申が足りないのは致命的になってしまいます。
また内申点が低く、どの私立高校も併願優遇が取れないと、中学校の先生から私立単願を勧められ、公立は受験すら諦めたという状況になってしまう生徒さんも少なくありません。
内申と学力の目標を具体的に持とう
まず内申点を目標とする高校の基準値まで持っていく努力をしましょう。具体的にどの教科をどのくらい上げるという風な目標を作ると良いです。内申は決して5科目だけではありません。実技4科で上げても良いのです。頑張りましょう。
それと同時にテストの点数を合格基準まで上げておくことが重要です。本来は模試の点数を参考にすべきですが、定期テストの点数でもある程度判断できます。一般的に、定期テスト5科の合計点−50点が入試本番での点数と言われています。まずは定期テストで自分の目標とする高校の合格基準点+50点を目指しましょう。
松戸市に住むお子さんが選択する公立高校の偏差値・合格基準点・内申基準点(令和2年度前期データ)と私立高校の単願推薦・併願優遇の基準(令和3年度受験用)を表にしました。これを見て自分の目標を具体的な数字として持つようにしましょう。
近隣公立高校データ(令和2年度前期入試データ)
学校名 | 学科名 | K値 | 偏差値 (合格60%) |
内申基準値 | 合格基準点 | |
松戸市 | 県立松戸 | 普通 | 1 | 50 | 96 | 275 |
芸術 | 1 | 50 | 95 | 275 | ||
松戸六実 | 普通 | 1 | 49 | 95 | 270 | |
松戸向陽 | 普通 | 1 | 39 | 83 | 175 | |
福祉教養 | 1 | 41 | 79 | 175 | ||
松戸馬橋 | 普通 | 1 | 43 | 85 | 195 | |
市立松戸 | 普通 | 1 | 51 | 96 | 285 | |
国際人文 | 1 | 53 | 99 | 295 | ||
小金 | 総合学科 | 0.5 | 66 | 122 | 400 | |
柏市 | 東葛飾 | 普通 | 0.5 | 69 | 125 | 435 |
県立柏 | 普通 | 1 | 64 | 118 | 395 | |
理数 | 1 | 62 | 105 | 370 | ||
柏南 | 普通 | 1 | 61 | 112 | 365 | |
柏陵 | 普通 | 1 | 47 | 94 | 245 | |
柏の葉 | 普通 | 1 | 56 | 106 | 325 | |
情報理数 | 1 | 56 | 100 | 320 | ||
柏中央 | 普通 | 1 | 57 | 105 | 330 | |
沼南 | 普通 | 2 | 35 | 66 | 100 | |
沼南高柳 | 普通 | 2 | 38 | 78 | 160 | |
市立柏 | 普通 | 1 | 46 | 91 | 230 | |
スポーツ科学 | 1 | 40 | 85 | 160 | ||
流山市 | 流山おおたかの森 | 普通 | 1 | 51 | 97 | 275 |
国際コミュニケーション | 1 | 48 | 93 | 255 | ||
流山南 | 普通 | 1 | 40 | 81 | 175 | |
野田市 | 野田中央 | 普通 | 2 | 45 | 90 | 210 |
関宿 | 普通 | 2 | 35 | 62 | 100 | |
我孫子市 | 我孫子 | 普通 | 1 | 52 | 98 | 285 |
我孫子東 | 普通 | 2 | 35 | 77 | 140 | |
鎌ヶ谷市 | 鎌ヶ谷 | 普通 | 1 | 62 | 115 | 370 |
鎌ヶ谷西 | 普通 | 2 | 37 | 73 | 135 | |
その他近隣 | 市立習志野 | 普通 | 1 | 53 | 98 | 260 |
商業 | 1 | 49 | 90 | 220 | ||
県立船橋 | 普通 | 0.5 | 70 | 128 | 440 | |
理数 | 0.5 | 69 | 119 | 425 | ||
市立船橋 | 普通 | 1 | 50 | 97 | 280 | |
市川東 | 普通 | 1 | 54 | 100 | 300 | |
市川昴 | 普通 | 1 | 49 | 94 | 255 |
近隣私立高校推薦基準データ(令和3年度データ)
高校名 | 単願 | 併願 | |||||
学校名 | 学科・コース名 | 3科 | 5科 | 9科 | 3科 | 5科 | 9科 |
光栄VERITAS | 普通科特待 | 21 | 23 | ||||
普通科準特待 | 20 | 22 | |||||
普通科単願・併願 | 17 or | 31 | 18 or | 32 | |||
二松学舎大学附属柏 | 普通科S特進 | 21 | 23 | ||||
普通科特進 | 20 | 22 | |||||
普通科進学 | 19 | 21 | |||||
日本体育大学柏 | 普通アドバンスト | 19 | 20 | ||||
普通進学 | 17 | 18 | |||||
普通アスリート | 15 or | 29 | 16 or | 30 | |||
流通経済大学付属柏 | 総合進学 | 19 | 21 | ||||
スポーツ進学 | 15 | ||||||
特別進学 | 22 | 23 | |||||
我孫子二階堂 | 普通科進学 | 13 and | 27 | 15 and | 29 | ||
普通科総合 | 24 | 27 | |||||
普通科学業特待 | 19 or | 34 | |||||
中央学院 | 普通科S特進選抜 | 19 | 20 | ||||
普通科A・B選抜 | 17 | 18 | |||||
普通科C選抜 | 14 | ||||||
西武台千葉 | 普通科特選 | 19 or | 37 | 20 or | 38 | ||
普通科進学 | 16 or | 30 | 18 or | 33 | |||
千葉経済大学附属 | 全科学業特進 | 23 | 24 | ||||
普通科特進 | 20 | 22 | |||||
普通科一般 | 17 | 18 | |||||
東京学館船橋 | 普通科 | 13 or | 23 | 26 | |||
情報ビジネス | 12 or | 21 | 24 | ||||
千葉商科大学付属 | 普通科特進 | 11 or | 18 or | 32 | 12 or | 20 or | 34 |
普通科進学 | 10 or | 17 or | 30 | 11 or | 18 or | 32 | |
商業科 | 9 or | 16 or | 28 | 10 or | 17 or | 30 |
高校入試は中学1年生で決まる
実は中1が高校入試のキモの学年
さあどうだったでしょうか。自分の気になっていた高校に通知表の結果や定期テストの点数は届いていましたか?
高校入試だからといって、決して難しいことをやらなければならないということはありません。まずは自分の考えていた高校の内申基準値を目指して、日々の中学校生活を見直してみてください。通知表は決して定期テストの点数だけで決められているものではありません。また毎年のように中学3年生の受験生から聞かれる言葉は、「中1、中2でもっと頑張っておけばよかった。」という言葉です。公立高校は3年分の通知表の結果が反映されます。いくら中学3年生になってから頑張っても、志望する高校の内申基準値ははるかに上で到底届かないという状況にもなってしまいます。ぜひ中1、中2の頃から入試制度の仕組みを知って準備を着々と進めてもらいたいです。
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