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中学校の通知票で「3」は真ん中とは言えません

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新松戸6丁目で地域密着、プリモ個別指導塾のともちゃんです。

3学期が始まりましたね。
3学期ということは…もうすぐ次の学年が近づいてきているということです!
今日は通知票について正しく理解しておきたいことを書いていきたいと思います。
現在中学生の人だけでなく、これから中学生になる人にも知っておいてほしい内容です。
特に中学生のお子様をお持ちの保護者の世代の方は、ご自身が中学生だった頃の通知票とは大きく変わっているため、現在の通知票の評価方法について覚えておいていただきたいと思っています。

 

なぜ「3」は真ん中とは言えないのか?

私たち大人世代が中学生時代の通知票も多くは5段階評価で、「5と1がつく人は少ししかいない」「2と4はまあまあいる」「3はたくさんいる」というイメージではないでしょうか?
しかし最近は「5・4・3・2・1」がつく割合が以前とはだいぶ異なっています!

以前ブログ(→今と昔でこんなに違う!公立中学校の成績のつけ方)で「通知票でオール3が取れていても平均(真ん中)とは言えない」ということを書きましたが、昨年発表された千葉県教育委員会で発表された令和3年度のデータを見て、さらにその傾向が強くなったことが分かりました。
以下の表(数字は%)は令和3年度千葉県の中学3年生(現高校1年生の代)の成績分布表です。
 
  評定5 評定4 評定3 評定2 評定1
国語 20.5 26.1 41.5 9.3 2.6
社会 26.0 25.2 35.3 10.6 2.9
数学 23.4 27.7 33.4 12.5 3.0
理科 23.7 26.6 36.5 10.3 2.9
音楽 20.1 37.7 36.1 3.3 2.9
美術 18.0 38.2 38.0 3.1 2.7
保健体育 18.4 38.8 36.9 3.1 2.9
技術・家庭 16.6 38.5 38.6 3.8 2.6
外国語 24.7 22.0 36.4 13.9 2.9
参考:相対評価(2002年まで) 7.0 24.0 38.0  24.0 7.0

参考:千葉県教育委員会ホームページ
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2021/koukounyuushi/documents/r3chousasho.pdf

上の表から次のことが分かります。

どの教科も5と4の割合(表で  をつけた横の数字の合計)は全体の約50%になる
・2と1の割合は全体的に少ない
・実技教科は5の割合はおさえめだが4の割合が5教科よりも多く、5・4・3の割合の合計は約90%以上である
・相対評価の時代より5の割合が増え、2と1の割合が減った
(※相対評価とは、5がつく人が学年の人数の7%、4がつく人が学年の人数の24%…と厳密に割合が決められた方法です。現在は到達度によって評定を決める絶対評価となっていて、例えば5は学年の何%までなど割合に制限はありません。)

次に、上の表にその前の年である令和2年度千葉県の中学3年生(現高校2年生の代)の数字を並べて、昨年より数字が上がったところを赤字、下がったところを青字にしてみました。
表内の上の数字は1年前、( )内の数字は2年前の割合(全て数字は%)です。
 
  評定5 評定4 評定3 評定2 評定1
国語 20.5
(17.2)
26.1
(25.6)
41.5
(43.2)
9.3
(11.1)
2.6
(2.9)
社会 26.0
(21.0)
25.2
(25.3)
35.3
(38.0)
10.6
(12.4)
2.9
(3.3)
数学 23.4
(19.1)
27.7
(27.7)
33.4
(35.4)
12.5
(14.4)
3.0
(3,4)
理科 23.7
(20.0)
26.6
(25.7)
36.5
(39.4)
10.3
(11.7)
2.9
(3.2)
音楽 20.1
(18.5)
37.7
(36.1)
36.1
(38.7)
3.3
(3.7)
2.9
(3.0)
美術 18.0
(15.9)
38.2
(37.0)
38.0
(40.9)
3.1
(3.2)
2.7
(3.0)
保健体育 18.4
(16.1)
38.8
(37.5)
36.9
(39.7)
3.1
(3.7)
2.9
(3.1)
技術・家庭

16.6
(13.3)

38.5
(37.3)
38.6
(42.6)
3.8
(3.9)
2.6
(2.8)
外国語 24.7
(21.1)
22.0
(22.3)
36.4
(38.3)
13.9
(15.0)
2.9
(3.2)
相対評価 7.0 24.0 38.0 24.0 7.0

2年前と1年前を比べてみても、各科目とも5と4の割合が年々増えていることが分かります。
社会と数学は4の割合が増えていませんが、そのかわり5の割合が1年前と比べて社会は5.0%、数学は4.3%も増えています。

以上の2つの表から分かることは…
5と4の割合を足すと約50%、つまりクラスの半分は5と4がついていて、その割合は増える傾向にある
・よって3は半分以下になることがほとんどのため、3は真ん中とは言えない
ということです。

保護者の方の多くは、中学校の通知票はおそらく相対評価だったと思います(私もそうです)。
その時代って…
5を取る人はクラスで少なくありませんでしたか?
3を取る人が多かったから3は平均的=普通と考えられ、「3は真ん中」とされていませんでしたか?

今はそのどちらでもないのです。
3は真ん中ではなく「真ん中以下であることがほとんど」になってしまいました。
ですから通知票の3を見て「真ん中だから平均的」と考えるのは危険です。

下のリンクは千葉県教育委員会のHPで、東葛飾教育事務所内(松戸市・野田市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市)の各中学校の3年生の内申点平均が分かります。
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2021/koukounyuushi/documents/02_2r3higashikatsushika_ind.pdf

このページ内の松戸市内の中学校(合計20校)の内申点平均を出してみたところ、93.15でした(昨年は92.35だったので、松戸市全体でも評定平均が上がっていることが分かります)。
千葉県の場合、この数字は3年間の内申点の合計なので、3年間でわると1年あたりの内申点は約31で、31÷9教科=3.44…
つまり受験生の平均内申点はオール3ではなくオール3以上(平均して3と4が半分ずつくらい)ということになります。

昔は「オール3」=「平均的」=「偏差値50前後」と考えても大きな違いはありませんでしたが、今はそうとは言い切れなくなりました。

「オール3だと偏差値がどれくらい?」など、通知票と偏差値の目安が知りたい方は、こちらのブログをお読みください↓
(→今と昔でこんなに違う!公立中学校の成績のつけ方

 

「志望校を自由に選びたい」という人は内申点を意識しよう!

ここまで「通知票の3は真ん中とは言えない」と書いてきましたが、本文中のデータは中学3年時の評定なので、もしかしたら中学1年・2年のうちは「3」が多めについている学校や学年もあるかもしれません。

しかし千葉県公立高校を受験する場合、「志望校の内申点の基準を下回ったまま受験するとかなりのハンデになってしまう」ということです。
過去のブログ記事(→高校入試の仕組みを知ろう❗️)で詳しく書かれていますが、昨年度より公立高校入試が1回になったことから安全志向が高まり、内申・偏差値ともに余裕を持って志望校を選んでいる受験生が増えています。
もちろん、内申点の基準を下回っているならその分を当日の試験で取ればよいのですが、周りが余裕を持った内申点・偏差値のため、以前の前期・後期入試の2回入試があった時代よりかなり多くの点数を取らないと難しくなりました。

偏差値は入試直前まで上げていくことは可能ですが、内申点は確定したら入試までに上げることが出来ません。
しかも千葉県は中学1年生の学年評定から内申点に入るため、志望校の基準に届かないまま受験生になってから頑張ったとしても「遅かった…」となってしまいます。

「志望校を自由に選びたい!」と少しでも思うならば、ここまでの内容(「3」は真ん中ではない)を覚えておいていただき、この先に書かれていることを意識していただければと思います。

中学1・2年生の皆さんは、まず2学期の通知票を思い出してください。
上がった教科、変わらなかった教科、下がった教科…評定が上げられそうな教科はありませんか?

 

苦手な教科は3を目指そう

3は真ん中ではないことのほうが多いのですが、真ん中に近いことには変わりありません。
2以下の割合が以前より減っているので、平均点以下でも3は狙えます。
その時のテストの平均点にもよりますが、定期テストで30点前後なら普段の授業の取り組み方で十分カバーできます。
提出物を期限に遅れないで提出したり、答えを写さず丁寧に仕上げたりすることが出来ていますか?

 

苦手な教科でなければ4や5を取るのは難しくない

平均点以上は取れる教科なら、あとは提出物や授業への取り組み方(授業態度・発言など)で加点されれば4がつきます。
5も5教科で学年人数の約20%につきますので、テストで80点以上であれば5がつく可能性は残っていることになります。
(以前の相対評価なら40人のクラスで2~3人にしかつかなかった5が、現在の絶対評価ならベスト8に入れば5がつくのです!)
先ほど書いたように受験生の平均評定は3.4ですから、3が多いという人はまずは3→4を目指しましょう。
また、実技4教科では4の割合が5教科よりも多いです。
実技教科の5は実技テスト(例えば音楽なら歌やリコーダーのテスト、体育なら持久走のタイムなど)の出来がかなり影響するため、5を取るのはやや難しくなりますが、実技がイマイチでも、定期テストで挽回できれば4がつくチャンスは大いにあります。

 

3学期は「学年評定」を意識しよう

3月の修了式でもらう通知票は「3学期の評定」「学年評定」の2つが記載されています。
特に重要なのは「学年評定」、つまりこの数字がその学年の「内申点」になります。
この評定は「1年間の平均」と思われがちですが、ここ数年は生徒たちの通知票を見ていると学校によりますが「1年間の平均とは言い切れないかも?」と思うことが時々あります。

例えば数学で、
①1学期「5」・2学期「4」・3学期「3」…学年評定「3」
②1学期「4」・2学期「4」・3学期「3」…学年評定「3」
③1学期「3」・2学期「4」・3学期「5」…学年評定「4」
④1学期「3」・2学期「4」・3学期「4」…学年評定「4」

①②はだんだん点数が下がってきたときによくみられるパターンです。
特に①は1学期に5がついているので平均であれば4なのですが、学年評定が3になってしまいました。
逆に③④はだんだん点数が上がってきた時によくみられるパターンです。

今年度からは3項目になりましたが、「観点別評価」を点数化して各学期で評定をつけています。
観点別評価とは、通知票の評価の数字の隣に書いてある「A」「B」「C」のことです。
学校によって異なりますが、Aを3点、Bを2点、Cを1点などのように点数化して、「9点なら評価5」のように決めています。
各学期の評定の数字だけでなく、各学期のの観点別評価を加味したうえで学年評定が決まっているようなので、上の①~④のような現象が起きています。

また、他の理由を考えてみました。
必ずあてはまるとは言えませんが、生徒たちの通知票を見ているとだんだん点数が上がってきた人や3学期に特に頑張った人に学年評定でよい評価がつく傾向もあるように思います。

1年間の数学のテストの点数の合計が同じAさんとBさんがいたとします。
Aさん「最初は良かったけどだんだん下がってきた」
Bさん「最初は良くなかったけどだんだん上がってきた」
このあたりは先生の主観が入るからだとは思いますが…どちらの印象が良くなるかを考えると、Bさんのほうが印象が良くなるような予想がつきますよね。

ということは…1・2学期の成績があまり良くなかったと諦めるのはまだ早いです!
3学期の頑張りで学年評定が変わってきますよ!


中学1,2年生は学年末テストまで約1か月後。
3学期は「次の学年の0学期」とも言われています。
実際、これまでも3学期に点数や評定が上がった生徒は、次の学年の1学期に成績アップしている人が多いです。
勢いをつけて新しい学年につなげていきましょう!



≪関連ブログはこちらです≫
偏差値と内申の関係について→今と昔でこんなに違う!公立中学校の成績のつけ方
内申点にまつわるあれこれ→内申点の大切さ
偏差値の説明は→偏差値って何?
千葉県の高校入試制度はこちら→高校入試の仕組みを知ろう❗️
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